故障の原因!磁気製品からは離して保管

機械式時計に、磁気は大敵!

磁石くっつけた釘はさらに他の釘を引き寄せ、磁石を離した後もしばらくの間は磁石の性質を持つ、なんていう理科の実験をやったことありませんか?この金属を引き付ける力を「磁気」といい、実はこれが機械式時計には大敵なのです。時計の部品の多くは金属でできており、特に影響を受けやすいのがゼンマイ。その動きを制御する「テンプ」は振り子のような役目をしていて、ここが磁気の影響を受けると時計の精度が狂ったり、止まってしまったりするのです。 あれ、故障かな?と思った時、それが磁気帯びかどうか調べるには、方位磁石を使う方法があります。もし、時計の部品が磁気を帯びていれば、方位磁石を近づければその針が振れるので、一目でわかります。ただし、これはあくまで簡易的な診断方法なので、詳しい故障個所の診断は専門業者に依頼しましょう。

身近な磁気って、何があるの?

磁石なんて持ってないから、大丈夫!でもちょっと待って。見えない「磁気」は案外身近にあるものです。今や生活に欠かせないスマートフォンやタブレットはその代表格。カバンの中に一緒に放り込んでおくと、故障の原因に。機械式時計はこれらの製品から、最低5cmは離して保管しましょう。また、スマートフォンのスピーカーは特に要注意。強力な電磁石が使用されているので、近くに置くのは禁物です。 そして見落としがちなのが、バッグや財布の留め金に使用されている磁石。小さなものでも距離が近ければ、影響を受けてしまいます。そして5cm以上離しても危険なのが、IHヒーターなどの電磁調理家電です。お料理をする際には特に注意しましょう。時計が磁気帯びした場合は、磁気抜きと呼ばれる修理が必要になります。一生使える大切な時計。上手に保管して、故障から守りましょう。